ベランダの防水を高める必要性について・意外と知らない落とし穴とは?

ベランダの防水性の必要性はあまり知られていないかもしれませんが、外部からの水漏れは家の土台にダメージを与えることもありますので、狭い範囲のベランダでも防水性を高めるのは重要です。

都心部では庭のない家も多く、ベランダが唯一の癒しの場所になることもあるでしょう。そこで今回は、とても大切なベランダの防水の必要性について、詳しくご解説していきますね。

 

ベランダの防水について

ベランダは生活のメインになる場所ではありませんが、きちんとメンテナンスが必要な部分です。なぜ防水が必要なのか、ベランダの特徴など大切なポイントについてご説明しましょう。

 

ベランダの防水が必要な理由について

ベランダは家を建築した時に、何かしらの防水処理がされています。しかし長い間雨や雪、風にさらされていると、防水能力は時間と共に劣えてしまうのです。

そのまま防水機能がないままベランダを放置すると、雨水がしみ込んでしまいベランダに接する天井や壁、床にも雨漏りが広がるリスクがあります。

人間の体と同じく、家も健康なコンディションを維持するためには、ベランダは適切な時に防水処理をする必要があるのです。

 

ベランダの防水層

ベランダの作りを、層に分けて理解しておきましょう。ベランダは屋上と同じで、床面に防水処理を施す必要があります。これは雨漏り防水のためで、ベランダはもともとコンクリートの土台になっており、そのままでは雨がしみ込んでしまいます。

コンクリートの上には素地調整と呼ばれるものを塗り、次に防水機能のある塗料などを塗る防水層があります。最後にトップコートで仕上げをすることで、ベランダの土台に何層もの層が作られ、しっかりと防水性を発揮できる仕組みになっています。

 

ベランダの防水の種類について

ベランダの防水を高める必要性について・意外と知らない落とし穴とは?

ベランダの防水層を施工する際に使用される3タイプがありますので、それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

FRP防水

ベランダの防水性が必要になった時に、多く施工されるのがFRP防水です。この処理はガラス繊維を配合した強化プラスチックシートを、ベランダに貼ってコーティングするもの。

すでに雨漏りして、早く防水処理をしたい場合に向いている方法です。FRP防水はひび割れしやすいので、他の施工方法よりも長持ちしない点がデメリット。

また工事の際に強いニオイがあったり、工事費用が高くなったりする傾向があります。しかし防水層に耐久性を持たせ、熱や腐食に強くなるうえに12時間で塗装が乾燥するのはよい点です。また重量が少ないので、ベランダに負担がないのがメリットです。

 

ウレタン防水

液体状のウレタン樹脂を、ベランダに重ね塗りする方法がウレタン防水です。ゴムのような弾力がある仕上がりになり、複雑な形のところでも施工しやすいことや、幅広く防水処理できるのが魅力です。

他の方法だとベランダの素材との相性を確認しなければなりませんが、ウレタン防水なら柔軟に対応が可能。ただし職人の経験により、仕上がりにムラができることもありますし、1015年ごとの塗り替えが必要です。施工期間も長くなり、310日ほどかかる場合もあるでしょう。

 

シート防水

ベランダの防水が必要になるのは、紫外線や太陽熱による劣化も考えられます。シート防水は熱に強い素材の塩化ビニールを使用しますので、日当たりがよいベランダ向きの防水処理といえるでしょう。

また耐摩擦性が高いので、人が歩いても傷みにくいのがメリット。この施工方法なら、シートが丈夫なのでトップコートを塗る必要がありません。

そのため費用が安くなり、メンテナンスの手間がかからないのが魅力。しかしシートは平らな床にしか施工できないことや、熟練の職人でないと綺麗に施工できない場合もあるので注意が必要です。

 

ベランダの防水工事が必要なタイミングについて

ベランダの防水を高める必要性について・意外と知らない落とし穴とは?

ベランダは水漏れなど、明らかな症状が出るまで劣化していることに気づかない場合もよくあります。知らない間に家にダメージを与えてしまうのは、できれば避けたいこと。

ではいつ施工するべきか、ベランダの防水工事が必要なタイミングについてご説明しましょう。

 

トップコートの塗り直しサイン

ベランダの防水工事が必要な時期は、症状によっても施工内容が異なりますので、なるべく早く異変に気づくのが必要です。ベランダの一番上の層になるトップコート。

劣化すると表面の塗装が一部剥がれたり、小さなひび割れ症状を起こしたりします。この程度なら防水層までダメージが達していない可能性がありますので、トップコートを塗り直し対処しましょう。

表面の異常がなくても、前回のメンテナンスから10年前後経過している場合は、塗り替え時期の目安です。また前回の防水処理がきちんとされていない場合は、水膨れのように塗膜が膨らんでいる症状が見受けられることもあります。

施工不良は比較的早い時期に異常がわかりますので、放置して塗膜が破れないよう早めの対処が必要です。コストは塗料によって異なりますが、1,000/平方メートル前後が目安です。

 

防水層の工事が必要なサイン

ベランダの防水層までダメージが進んでいる場合は、表面の小さなひび割れや剥がれだけでなく、大きなヒビや剥がれが症状として表れます。

またベランダから雑草が発生している場合も、防水層に浸水している可能性がありますので、放置すると家の躯体まで雨水が到達するリスクもあるので早めに修理しましょう。

この場合はFRP防水やウレタン防水などの最適な工法を選び、内部から修繕が必要。最後に表面を処理してもらい、ベランダの防水性を高くする必要があります。

費用は施工方法により異なりますが、FRP防水4,0008,000/平方メートル。ウレタン防水は3,0008,000/平方メートル、シート防水3,0008,000/平方メートルが目安です。

 

DIYでできることは?

ベランダの防水工事が必要になると、費用や工事期間など気になることがいくつかあるでしょう。早い段階なら自分で修繕するのも可能です。

たとえばベランダの表面に生えるコケや排水溝の詰まりなどは、お掃除をしてメンテナンスを続ければ、ベランダをよい状態にキープできます。

またトップコートの小さな剥がれや傷も、市販の塗料を購入して修繕するのが可能。しかしベランダは素人では判断できない症状も多いため、心配な場合は業者にチェックしてもらうことも大切です。

 

業者選びのポイントについて

ベランダの防水工事は経験がある業者でないと、すぐに劣化してしまうリスクがありますので、選ぶ際は次のポイントを意識してみましょう。

 

ベランダ防水工事件数が多い業者

ベランダは排水の機能も兼ねていますので、壁の塗装とは違いあらゆる状況を考えて防水工事をしなければなりません。そのためベランダ防水工事の経験が豊富であることや熟練の職人がいるなど、安心してお願いできる業者を見つけてください。

屋根工事の専門、ベランダ防水専門、またはリフォーム業者に相談することもオススメです。

 

屋根塗装もできる業者

ベランダの防水工事が必要になる時期は、屋根の塗装と大体同じともいわれています。メンテをわかりやすくするためにも、ベランダ防水をする際は屋根の塗装や外壁のメンテナンスも一緒にやってくれる業者がオススメです。

どちらも目安は10年前後。丸ごと施工をお願いすれば、費用を割引してくれる業者もいます。

 

まとめ

ベランダの防水性は必要になるまで、症状に気づかないことがよくありますので、水たまり、塗装面の異常など些細な部分も早期発見して、できるだけコストを抑えた修繕をするのも必要ですね。

また防水工事をする際は、信頼できる業者選びが何よりも大切なので、何社か気になる業者にまずは相談してみましょう。