古民家をリノベーションすると、どこか懐かしく昔の日本を感じさせる部分と、現代の暮らしやすさがコラボされるため、個性的で快適な空間になります。
最近は古民家をリノベーションして、カフェやショップなどを経営する人も増えていますよね。代々受け継がれている素敵な思い出を大切にして暮らすためには、古民家のリノベーションはとても大切な意味があります。
そこで今回は費用や注意点など、知っておきたい重要なポイントを徹底解説しましょう。
古民家のリノベーション基礎知識について
とても趣のある古民家。現代の暮らしに合わせるためには、リノベーションしたい箇所がいくつかあります。しっかりと準備を進めないと、思った以上にリノベーション費用がかかってしまうこともありますので、まずは基礎知識として知っておきたいポイントからご説明しましょう。
古民家のリノベーション方法
古民家のリノベーションといっても、DIYでできる簡単なことから大掛かりな工事が必要な場合など色々です。まずはどのようなリノベーション手段があるか、3タイプの方法をご紹介します。
簡単に行われるのは、ほぼ建物はそのままの状態に残し、壁紙を変えたり外壁を別の素材にしたり塗装するなどの方法です。
古民家のよさを最大限に活かせる方法で、コスト的にも節約が可能。畳からフローリングに変える、キッチン設備を入れ替えるなど、暮らしやすく改修する方法です。
次の古民家のリノベーション方法は、半解体して再生する方法。築年数が古い建物は壁と床のずれなどが生じていますので、光熱費を節約するためにもずれの修正を行うことがあります。
この場合は劣化部分を判断し、壁を壊して最新の素材を使うなど、部分的なリノベーションとなります。大々的な工事が必要になるのは、古民家を全体的に解体して行うリノベーション。
柱や梁なども新しいものに交換し、新材で建物を補強することから始まります。場合によっては土台を改修する場合もありますので、古民家の名残をどのように残すかがポイントになるでしょう。
費用について
古民家のリノベーション費用は内容により異なりますので、一番費用が高くなる全解体するスケルトンリフォームの場合の相場を見ていきましょう。
古民家はイメージを大切にするだけでは、現代の生活になじまない部分がありますし、安全性も心配になるところ。位置から作り直すスケルトンリフォームは、あらゆる面から考えても快適な生活空間になるといえるでしょう。
ただし古民家は新築の建物とは違い、断熱性や耐震補強が必要。そのため費用が高くなり、20坪の場合で1400~1800万円、60坪なら3200~4200万円ほどかかるともいわれています。
費用の違いは家の劣化具合、使用する建材のグレードや導入する設備のコスト、また施工会社によっても多少の違いはあります。
メリットとデメリット
古民家のリノベーションに憧れる人はとても多いはずですが、メリットだけでなくデメリットも考えておきたい大切なポイントです。
まずメリットは、昔ながらの素敵な日本家屋を保存できること。今の時代は洋風なデザインが多く、フローリングだけの建物が増えています。
古民家は年数を経て魅力あふれる木材を使用しているため、新築では得られない独特の質感があります。また古民家は基礎土台がしっかりしていますし、強度が長く保てるケヤキやヒノキなどは、数百年以上保存できるともいわれています。
現在ではこのような建築資材は入手困難なので、歴史を保存できるのがメリットですね。ではデメリットですが、古民家のリノベーションは費用がかかること。
耐震性が弱い建物も多く、目に見えないところで劣化が進んでいる可能性があります。さらに昔の日本の家は断熱性が低いので、冷たい床、寒い浴室などを改修するために断熱材導入が必要になることも。このようなデメリットを考えると、新築住宅を購入したほうが安心という人もいます。
リノベーションで注意したいポイント
古民家のリノベーションは、古い建物の魅力を活かすことが何よりも大切です。その際には次のポイントを考えて、暮らしやすい環境へ改善しましょう。
間取り変更を優先する
古民家のリノベーションは、スケルトンリフォームのように家の間取りを変えるチャンスです。昔居間だった部分をキッチンにする場合は、配管や電気工事なども必要になります。
間取り変更は、何よりも優先して考えなければならないポイント。後からでは手間やコストがかかりますし、部屋の増築をする場合も今がチャンスです。
雨漏りの危険性について
古民家は屋根や外壁などの外装資材が劣化している可能性が高いので、台風や梅雨時期の雨漏りが心配です。屋根を全て交換しなくても、屋根塗装で修繕できる場合もあり、費用はさまざま。
外壁と屋根の塗装を行う場合は、合計で200万円以上の費用がかかります。また長い間雨漏りが続いた建物だと、土台や柱にも影響が及んでいる可能性がありますので、大体な修繕が必要かもしれません。
水回りについて
古民家のリノベーションで最も多いのが水回りの修繕です。昔の建物は現代のスタイルに合わない部分が多く、とくにお風呂場、キッチンなどはそのままでは使えないこともあるでしょう。
たとえばタイル張り。昔の家屋に多かったこのような施工は目地の汚れが目立ち、綺麗にしても今後掃除の手間を考えるとリフォームが必要です。
水回りの設備は、10年が交換目安とされていますので、リノベーションする際にできれば浴室やトイレ、キッチンなどの設備類は新しくしたほうが安心ですね。
古民家を素敵にするアイデアポイント
古民家のリノベーションは、昔と今のよさを上手くコラボさせる必要があります。さまざまなアイデアがありますので、できる範囲でプランを立ててみましょう。
畳をフローリングに
古民家の畳は、そのままでは劣化が進んでいると考えられますので、日本の要素を活かすなら畳を新しく変える必要があります。その際にリフォームのアイデアとして、畳からフローリングに変えるのもオススメ。
時間がある人なら畳を剥がして断熱材を敷き、フローリング材をDIYで設置するのも可能です。古民家といっても昭和の建物だと、ある程度は昔風のイメージが残っているので、フローリングにすれば和洋折衷で個性的な空間が作れます。
古い柱や梁を残す
全部解体して最新の住宅に変えるのは、古民家のよさが伝わらずもったいないですよね。しかし暮らしやすさを同時に追求すると、どうしてもアップデートしなければならない部分は出てきます。
その場合は古民家の間取りを変更して、水回り機器の交換。昔ながらの梁や柱をインテリアとして残し、設備関係を新しく導入しましょう。
現代のライフスタイルに合わせたリノベーションで、しかも古民家の趣がいつまでも残ります。
北欧風にアレンジ
古民家で使用されている建築材は、立派なケヤキなど自然の風味が活かされ、かなり存在感があります。それは北欧風の住宅にも共通する点なので、古材を活かし和モダンに仕上げるのもアイデアのひとつ。
畳の部屋を撤去し、完全にフローリングに仕上げてインテリアを和風にするなど、こだわりを捨てたデザインやアイデアが素敵にリノベーションするコツです。
まとめ
古民家のリノベーションがブームになっていますが、費用面は最初に考えておきたい部分になります。自分らしく暮らすためには、あらゆる視点で古民家をどう活かすか、プラン作りが大切。まずは地元のリフォーム業者に相談してみましょう。