家の点検については、定期的に行っていますか。車のように故障がわかりやすいものは、メンテナンスも気になるところ。
しかし家の点検となるとつい油断してしまい、トラブルが発生するまで気づかないこともあります。問題なく生活しているつもりでも、家は見えない部分のダメージに注意が必要です。
よい状態を維持して長く暮らすためには、家も定期的な点検を行い、補修やリフォームが必要な部分は早めに対策を始めましょう。では家の点検方法とチェック項目について、詳しくご説明しましょう。
家の点検の必要性とタイミングについて
せっかく購入した、夢のマイホーム。家族ができる限り長く住むためには、メンテナンスは必要です。
しかし家の点検の必要性について、詳しく理解している人は意外と少なく、長く放置して高額な修繕をせざるを得ない場合もあるでしょう。では家の点検がなぜ必要なのか、またやるべき時期についてご説明しますね。
家の点検が必要な理由とは
新築だから、しばらくメンテナンスは必要ないだろうと安心している人も。しかし築年数が短い住宅も、実は劣化がどんどん進んでいます。
家は雨や風、直射日光など、厳しい天候によって少しずつ劣化が進んでいる状態です。外側から見えない主要な構造部分から小さな不具合が発生し、深刻な住宅の欠陥につながることもあるでしょう。
このような劣化は、年数が経過するほど修理費用が高くなります。家の維持費を抑えるためにも、定期的な点検は欠かせないものなのです。
点検する時期について
新築の家の場合は三か月と半年、一年と二年、三年が点検のタイミングだといわれています。それ以降は五年や十年ごと、または気になる部分を発見した時に全て点検してもらう場合もあります。
家の各部位には保証されている部分がありますので、保証が切れる前に点検をする人もいるでしょう。
また中古住宅を購入する時や、今まで一度も点検依頼したことがないケースなど。タイミングはそれぞれ異なりますが、大切なのは定期的に続けることです。
点検するチェック項目について
では気になる点検項目について、詳しくご解説していきましょう。住宅の劣化状態は見ただけではわからない部分もありますので、普段の生活の中で不都合を感じることを、リストアップしておくと安心ですね。
家の基礎と外壁
とても大切な家の基礎部分や鉄筋の露出、基礎パッキンの状態、仕上げ材の浮きや欠損など。また外壁はカビやさび、ひび割れやシーリング材の劣化などをチェックするでしょう。
屋根などの外観
屋根材のひび割れと欠損、ずれと腐食、色褪せのチェック。雨樋も年数が経過すると、ひび割れや破損、詰まりによる材質の劣化などがあります。
家のエクステリアはバルコニーのチェックもあり、床の沈みや防水層の破断、排水口や手すりのぐらつきも点検が必要です。
他にも玄関ポーチの天井とカーポート、フェンスとブロック塀、ガスや水道のメーター設置場所などもチェックします。
床下と屋根裏
自分では判断しにくい床下と屋根裏は、定期的にチェックしないと土台部分にもダメージを与える恐れがあるので、注意が必要です。
床下は家の基礎部分になる、コンクリートの欠損と浮きが気になるところ。他にも土台のひびや床組、カビや鉄骨のさび、シロアリ被害などもチェックが必要に。
屋根裏は木材の腐食や鉄骨材の劣化、湿気や漏水跡などもきちんと調べるとよいでしょう。
室内
家の中は普段生活していると、色々と気になるところが出てくるため、修理を依頼する際に合わせて家の点検依頼をするケースがあります。
チェック項目は床の沈みやへこみ、壁材や天井のはがれやめくれ。そして扉やサッシの動作、床との隙間や鍵の施錠などです。
それぞれの部屋の収納棚のチェックや水漏れ、排水音や排水速度、手すりやカビなど、水回りに合わせた細かい点検を行います。
点検時期と起こりやすい症状
新築したばかりの住宅で、いきなり屋根材が剥がれるということは稀ですよね。家は長い間にあらゆるダメージを受けて、点検時期ごとに想定される劣化が色々とあります。
新築~十年までの間は、外壁の劣化を主にチェックし、屋根材のメンテナンスなどを早めに行います。
家の内部は、水回りのパッキンなどの部品が劣化し始める時期なので、使用頻度が高い場所は新しく取り換えが必要になります。
この時期は深刻な家のダメージを防ぐ、予防の改修が多いといえますね。十年~二十年は、屋外設備のベランダやバルコニーのメンテナンスが多いもの。
サッシの接合部分の交換など、厳しい環境にさらされる部分はとくにチェックが必要です。家の内部では、キッチンのメンテナンスが必要になる時期なので、ガスコンロの部品交換なども考えるとよいでしょう。
築二十年以降は急激に劣化が進むので注意
家の外部のダメージが急激に進む築二十年以降の住宅は、家の点検で全てチェックすることが大切です。
とくに外部はメンテナンスの必要性が高く、屋根や外壁は費用がかかりやすいため、できるだけダメージが少ない間に点検と修理したほうが安心です。
家の内部では、浴槽の交換やシステムキッチンの買い替えが重要。また住んでいる人の高齢化もあり、バリアフリーのリフォームも必要になるでしょう。
家の点検は誰がやるべきか?
家の点検は自分でできる部分もありますが、間違った判断だと将来的に大がかりな修繕が必要になる時もあるでしょう。では家の点検は誰がやるべきか、プランを立てる際のポイントをご紹介しますね。
ハウスメーカーや工務店
新築で購入した住宅はハウスメーカーや工務店が、定期的にスケジュールを組んで点検を行います。
頻度は会社によって異なりますが、新築の場合は不具合箇所が発見された場合、二年間は無償で修理してもらえます。
しかし過失や故意に、修理が必要な部分が発生した場合は対象外。新築住宅の定期点検はそれぞれ異なるため、引き渡しの際にきちんと確認しておきましょう。
費用について
家の点検費用は業者によって異なりますが、目視の場合は四~五万円。詳細診断してもらったら、九~十五万円が相場だといわれています。
費用に幅があるのは、点検する項目や内容により異なるためで、事前に費用を確認してから依頼しましょう。
予算に合わせるためには、点検したい項目を明確にして依頼すること。家の点検は細かいので、不要な場所については次回に回すことも可能です。
リフォーム業者に依頼する際のポイント
家の点検は、目視ではわからない壁の内側や足場の悪い屋根、専用のツールが必要な床下点検などがあります。
リフォーム業者では、このような点検を請け負っていますが、どのような点検ができる事前に確認が必要です。
点検実績が多いリフォーム業者なら、効率的にチェックを行い予算も抑えることが可能かもしれません。
合わせて修繕が必要な個所はそのまま依頼もできますので、点検だけでなくその次のステップも考えて、何社が比較して決めるとよいでしょう。
利害関係のない会社がよい
家の点検はたとえばキッチン設備のメーカーなど、利害関係がある相手だと正確な診断がされない可能性があります。
余計な部品を買わせようなど、利害関係があると費用が高くなる恐れがあるでしょう。依頼する際には、中立な立場で適切な判断をしてくれる業者選びが大切に。
まとめ
家の点検はつい忘れがちになりますが、小さな修繕こそ将来の高額な出費を避けるコツになります。
点検で発見された修理箇所は、自分でできる内容もあるでしょう。まずは信頼できるプロに診断してもらい、どのような修繕が必要なのか判断してくださいね。
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