室内の換気方法・オススメの改善ポイントについて

室内の換気をきちんと行っている人は、意外と少ないようです。たまに窓を開けて新鮮な空気を入れるだけでは、一時的な換気にしかなりません。

通気性の悪い空間は、健康的にも心配だと近年いわれていますよね。家の中には、なぜか空気のよどみが気になる部分が生じるものです。そこで今回は、室内の換気方法についてご解説していきましょう。

 

室内換気に関する基礎知識

室内の換気方法・オススメの改善ポイントについてしばらく窓を開けずに暮らす人も、世の中には多く存在します。最近はエアコンなどの空調機器に、空気洗浄機能が搭載されたタイプも多く、室内換気を意識する機会が少なくなっています。そこで意外と知られていない室内換気の基礎知識について、まずはご説明しましょう。

 

空気中の汚染物質について

換気とは部屋の中と外の空気を入れ替えることで、綺麗な空気を室内に入れて悪い空気を薄めるのが目的です。環境汚染が問題になる近年、家の中にも汚染物質があるケースが増えています。

汚染物質とは花粉や細菌、ハウスダスト、二酸化炭素、一酸化炭素など。室内換気をすると、健康を害する可能性があるこれらの汚染物質が薄くなり、空気が綺麗になるといわれています。

 

室内換気が必要な理由

最近はあらゆる理由により、室内換気や関連機器が注目されています。部屋の中に外の風が入ってくるととても心地よいのですが、換気が必要な理由はそれだけではありません。

近年増えている高気密の住宅構造だと、計画的な換気を導入しないと空気がしっかりと入れ替わりません。室内換気が充分でないと、化学物質や外から持ち込んだ花粉などの物質が室内に溜まってしまうかもしれません。

さらに暖房器具の石油ストーブやファンヒーターなどは、空気を利用して燃焼させるため、室内に水蒸気が増えて結露の原因に。結露は見えないところで柱を腐敗させるなど、家の骨組みまでダメージを与える可能性もあります。

また換気しない家は、人間の呼吸により排出する二酸化炭素の濃度が高くなるという説も。狭い室内に大勢人がいると、息苦しさなどを感じるかもしれません。

 

エアコンの換気は充分でない

エアコンの機能で、空気を洗浄しているから大丈夫だと油断するのは避けましょう。エアコンから出る空気は外気なので、エアコンが運転している間は換気しているようなもの。

この考え方は合っているようで、実は換気の効果は得られていないのです。エアコンの仕組みは室内の空気を吸い込んで、夏場なら冷たい風を送り出します。

冬場も同じく部屋の空気を温めて戻しているため、エアコンが外の風を取り入れることはないのです。

 

窓を使って室内換気するコツ

室内換気で一番手軽にできるのは、窓を開ける方法です。上手に通風させるためにはコツがありますので、定期的に窓を開ける習慣を作り空気中の汚れを入れ替えましょう。

 

換気効率は回数が必要

週に1回窓を開けただけでは、充分な室内換気はできません。そもそも換気効率とは、換気する回数が多いほど高まりますので、定期的に入れ替える必要があります。

換気効率の高い家なら、換気する時間は短時間で済む計算になるでしょう。空気の入れ替わりスピードを高めるためにも、効率的な換気が必要なのです。回数を増やして時間を長くすることで、空気の入れ替えはしっかりとできるといえるでしょう。

 

窓を開ける時は2か所

キッチンの窓、寝室の窓など1か所だけ開けても、室内換気がしっかりとできない場合がよくあります。効率的に空気を流すためには、風の「入口」と「出口」を作る必要があるでしょう。

家の中に複数窓がある場合は、違う二方向の壁の窓を開けるとよいですね。一番理想的なのは、対角位置にある窓を開けて通風すると、さらに効果が得られる可能性があります。

この場合に重要なのは窓の位置。たとえば隣同士に並んだ窓を2か所開けると、入ってきた空気がくるっと回転して同じ方向に戻り、窓から出てしまいますので部屋の角まで到達しません。

向き合った窓の場合は一直線に通風されるため、窓のないエリアの空気がよどんだままに。そのため対角線上にある窓を二か所開けたほうが、空気は室内全体を通り抜けられるのです。

 

風の正面の窓からスタート

室内換気のコツは、風の流れを正しく把握して開ける窓を選ぶことです。自然な風を利用するのは、とても気持ちよくコストもかからないので安心ですよね。

その際に注意したいのは、風向きに対して正面位置にある窓を開けること。風がまっすぐに入ってくるので、換気効率がアップします。

横からの風は室内に入りにくく、半分程度の効果しか得られない場合もあります。時間にすると正面の風なら約35分、横向きの風だと1時間以上も換気しなければならない計算になります。

 

高い位置の窓を使う

室内の空気は温度差による空気の浮力の差で、高い位置に上昇する性質があります。窓で換気を行う場合は、高い位置の窓を出口にするとさらに効率がアップするでしょう。

風は縦方向にある空間だと、換気量がとても多く期待できるため、吹き抜けに窓がある場合は通り抜けやすくなります。

 

改善するべきポイントについて

室内の換気方法・オススメの改善ポイントについて室内換気をもっと上手にしたい場合は、改善できるポイントや導入できるコツを活かしてみましょう。

 

扇風機を使う

窓の数が足りない、対角線上に窓がない場合などは、通風の方向を変えるために扇風機を使うことをオススメします。部屋の形状によっては、部屋の隅まで風が届かない設計も多いため、特定の部屋だけ空気がよどむ可能性があります。

たとえば窓が一か所しない部屋なら、窓の近くに扇風機を向けておくだけで風の通り道が作られます。自然の風がない場合は、サーキュレーターで空気を攪拌するのもよいでしょう。

 

キッチンの換気扇を使う

キッチンの換気扇は排気量がとても多いため、窓が開けられない部屋や通風がよくない家の場合は、換気扇を活用してください。この際、キッチンの窓でなくできるだけ離れた部屋の窓を開けると、家全体に通風されるので効率的な換気ができます。

窓を対角線上に開けている場合でも、換気扇を併用するとさらに換気のサポートになるのでオススメです。

 

リフォームで換気

花粉症など、換気をどうするか考えてしまうことがよくあります。窓を開けたくてもできない場合もあるので、上手に室内換気をするにはリフォームして、24時間換気を機械で行うのも方法です。

これなら確実性の高い換気方法なので、温度調整や湿度調整も可能になります。換気計画は個別の部屋ごとに行う場合、家全体のセントラル換気にするのも可能。

またリフォームして窓を新しく設置することも、自然な風を使う換気にメリットが期待できるでしょう。家の気密性や立地条件などにより、オススメできる換気方法が異なりますので、リフォーム業者にまずは相談してみてください。

換気は、快適な暮らしのために欠かせないこと。また住宅を長持ちさせるためにも、きちんと考えておきたいことです。

予算によってもできる改善策が異なりますので、あらゆる可能性を比較してくださいね。

 

まとめ

室内の換気が必要だと思った時に窓を開けても、きちんと換気できたかどうかは自分の判断に任されてしまいます。もし結露や空気のニオイなどが気になる場所が常にある時は、きちんと換気システムを導入しなければならないサインかもしれません。

換気方法はそれぞれメリットやデメリットがありますので、家族全員が快適に暮らせる方法をぜひ見つけるようにしてくださいね。