断熱が健康にも良い理由・リフォームで意識したい施行箇所とは?

断熱住宅は、健康にもメリットが期待できるということをご存知でしたか。リフォームは快適な暮らしへアップグレードするための手段のひとつ。

新しい空間作りをする際に、家族の健康も意識したい重要なポイントです。そこで今回は、断熱リフォームが健康に与えるメリット、そして今後リフォームを検討する際に意識したい点についてご解説していきましょう。

 

高断熱の家がよい4つの理由について

断熱が健康にも良い理由・リフォームで意識したい施行箇所とは?

近年注目されている高断熱住宅。住まいは日々の生活の舞台となり、人の暮らしや社会にも大きな影響を与えます。家の断熱性や気密性は住まいの寿命だけでなく、人間の健康にも関係があるとされています。

では断熱が健康に与える可能性がある、4つのメリットについてご説明しましょう。

 

活動量が増える

健康維持のためには、定期的な運動は欠かせません。しかし今の時代、家から一歩もでなくても買い物できる時代で、意識しないと運動量は減る一方ですよね。

また仕事が忙しくて、運動習慣をつけるほどの余裕がない人も多いでしょう。断熱を高めることにより、室内の温度が上がります。すると寒くて閉じこもっていた生活が活気に溢れ、階段の上り下りや掃除、洗濯などの家事もやりやすくなるでしょう。

冷え切った部屋よりも居心地のよい部屋のほうが、エクササイズのモチベーションも高まります。結果的に健康維持や筋力アップになるため、断熱が健康的にメリットを与えてくれる可能性があるのです。

 

血圧の変動が少なくなる可能性も

暖かいリビングルームから冷たいお風呂場に行くのは、とても抵抗があります。気分的に入浴が辛くなるだけでなく、断熱性のない住宅は部屋ごとの温度差が生じやすくなっています。

たとえば暖房が効いた部屋とお風呂では、10度以上も差が出る場合も。この温度差は血圧の急上昇にも影響を与え、近年問題視されているヒートショックの要因になるかもしれません。

断熱性の住宅に引っ越すと、室内の温度差による色々な症状を改善できる場合もあります。

 

コレステロール値が下がる効果が期待できる

室温とコレステロールが関係しているのは、よく知らない人が多いでしょう。室温と血中コレステロール値には、実は深い関係があるといわれているのです。

室温が適度なものであれば、コレステロール値を正常に保てる可能性があるのです。そう考えると、逆に室温が低すぎるとコレステロール値が正常値ではなくなってしまうかもしれません。

近年急増している生活習慣病は、コレステロールとの関係がありますので、断熱で健康環境が改善されるならぜひ検討したくなりますよね。

 

ウイルスやアレルゲンが減る可能性も

断熱住宅は、花粉症の原因になるアレルゲンなどを軽減できる可能性があるといわれています。通常の住宅よりも温度変化が少ない断熱住宅は、気密性が同時に高まりますので、室内の湿度が一定に維持しやすくなります。

室内の湿度は人間の健康にも重要な意味があり、健康的な湿度は40%以上だといわれています。それ以下になると空気が乾燥し、ウイルスなどが活動しやすくなります。

しかし湿度を高くしすぎてしまうと、結露の発生によりダニやカビの発生につながる可能性があるので、適度な湿度を維持して空気の循環をよくすることが快適な健康住宅といえるでしょう。

 

断熱のリフォームについて知っておきたいこと

断熱が健康にも良い理由・リフォームで意識したい施行箇所とは?

断熱住宅は健康的にあらゆるメリットが期待でき、さらに光熱費を節約できるのも魅力です。では断熱のリフォームはどのような種類や費用が必要か、知っておきたいポイントをご説明しましょう。

 

断熱リフォームの種類

暖房が効かない、光熱費が高すぎるなど、リフォームを考える理由は色々とあります。主な種類として行われているのは、壁に断熱材を施工するリフォームで、費用は4,000円~30,000/平方メートル。

工期は広さによりますが、2週間~1か月ほどかかります。短期間でできる断熱のリフォームとしては、内窓の追加により外気をブロックする方法もオススメです。

費用はひとつの箇所につき、80,000円~300,000円、工期は12日程度です。他にも天井の断熱化、床下の断熱化、外壁に断熱塗料を塗装する方法などもあります。

 

内断熱のメリットとデメリット

断熱リフォームは大きく分けると、室内から施すものと外側に施す2タイプがあります。内張りなどの施工を行う内断熱は、外張りよりもコストが安いのがメリット。

柱と柱の間に断熱材を詰めるため、壁を厚くする必要はありません。ただ屋根の部分は断熱材では覆えず、断熱効果は外断熱よりも劣る傾向があります。

また配管やコンセント部分にもきちんと施行しないと、コンセント周辺で結露が発生し危険になる場合もあるので注意が必要です。

 

外断熱のメリットとデメリット

断熱住宅は、家族全員が快適で健康を意識した暮らしが実現します。方法として外壁や屋根、建物の基礎部分に施行する外断熱は、柱の外側に断熱材を施行するため断熱効果が高く期待できることがメリットです。

内部の場合は断熱材が柱で途切れることもありますが、外断熱はくるっと家を囲む状態で熱の出入り口をほぼブロックできます。夏は涼しく、冬は室内の熱を逃がさないメリットが生まれるのです。

ただし費用が高くなったり、断熱材により柱や梁部分の厚みが増してしまったりするケースも。きちんと施行しないと、経年劣化などで破損するリスクもありますので、信頼できる業者に依頼したほうが安心です。

 

マンションの断熱リフォームのコツ

断熱性は一戸建てよりも、マンションなどの集合住宅のほうが高くなります。しかし古い建物だと光熱費が高くなる可能性もありますので、リフォームを検討するケースもあるでしょう。その場合に考えるべきポイントについて詳しくご説明しますね。

 

2タイプの断熱方法

マンションは、専有部分に断熱材を施行します。種類は「乾式断熱」と「湿式断熱」の2タイプで、コンクリートの壁に下地を作り、断熱材を密着させてはめ込むリノベーション方法です。

湿式断熱は木材で下地を作り、泡状の断熱材を吹きつける方法で、断熱層に隙間がないのがメリット。複雑な形状でも施工できる特徴があります。

コスト的には乾式断熱のほうが安く、断熱材の種類が豊富で選びやすいことがメリットといえるでしょう。マンションの基礎はコンクリートなので、部屋ごとの室温管理も必要ですね。

 

断熱の優先順位について

マンションは一戸建てよりも、冬は暖かいイメージがありますよね。しかし最上階や角部屋は外部に接するスペースが多いため、夏は暑く冬は寒くなる傾向があります。

マンションの断熱は一戸建てと同様に床、天井、壁、窓全てを処理することが、一番断熱効果が期待できる方法なのですが、費用が限られている場合は優先順位を決めて検討しましょう。

お住まいの階数や部屋の向きにより異なりますが、まず検討したいのは窓断熱です。断熱効率がよく、しかも他の場所よりもコストが安く施行できる部分。

工事期間も短く、隣近所にも迷惑がかかりにくいのです。一階にお住まいの場合は、窓断熱と床断熱を組み合わせると、よりよい効果が得られるかもしれません。

 

まとめ

断熱で健康的な暮らしをスタートすると、さらにマイホームへの愛着も湧くでしょう。リフォーム方法は色々とありますので、予算内で最大の効果を引き出すためにも、信頼できる業者に相談してみましょう。

断熱効果は長い目で考えると、暮らしの満足度をアップする大切なポイントになります。