玄関扉で断熱できる?種類の違いとリフォームコスト

玄関扉から入ってくる冷たい風。ヒーターをつけていても、これでは光熱費がかさんでしまいます。玄関扉は家の顔で、デザイン性にこだわる人は大勢いると考えられますが、大切なのは断熱機能です。

バリエーションがある玄関扉。断熱効果が高い種類はどれか、材質の違いを見極めてリフォームで失敗しないコツについて、詳しくご解説していきましょう。

 

玄関扉の断熱が大切な理由

忘れがちな玄関扉の断熱性能ですが、住空間の快適さを左右する部分なので、ドアのリフォームを考えている人は断熱機能も意識するとよいですね。では扉の断熱機能が必要な理由についてご説明しましょう。

 

コンクリート玄関の熱伝導率は早い!

玄関の土台はコンクリートが多く、仕上げにタイルや大理石などを乗せるケースが多くなっています。コンクリートは熱伝導率が1.6W/m.kで、他の材質よりも熱と寒さがすぐに伝わりやすいのが特徴です。

玄関先は出入口で長時間いる場所ではありませんが、リビングやお風呂場などが近いと温度差を感じる部分です。ヒートショックの原因になる可能性もありますので、玄関扉で冷たい風をブロックするのがとても重要なのです。

 

熱が流出しやすい

冬は玄関扉によって、室内の温められた空気が外に逃げやすくなっています。そもそも家の断熱性を高めるには、壁だけでなくドアや窓などの開口部分の断熱性を見直すのも大切。

玄関扉などの開口部分から流出する熱の割合は、床や外壁などよりも多いといわれています。そのため玄関扉の断熱性を高めるのは、効率的な節電にもつながると考えられるのです。

 

気密性を高める効果が期待できる

玄関扉の断熱性をアップさせると、室内の温度を維持できるだけでなく、耐熱性が高まるメリットも期待できるでしょう。断熱性が高いドアは、気密性も必然的に高くなりますので、アリなどの小さな虫の侵入を防ぐ働きも期待できるのです。

 

材質の違いと特徴について

玄関扉で断熱できる?種類の違いとリフォームコスト

玄関扉で断熱性を高めるには、さまざまな材質の違いをまずは理解しておきましょう。さほど玄関扉の材質にこだわる人はいないかもしれませんが、用途や目的意識がはっきりとしている場合は、数ある材質の中から最適なものを選んでくださいね。

では玄関扉の材質の違いと特徴について、いくつかのものをご紹介しましょう。

 

アルミ

現在の日本家屋では、金属製の玄関扉が主流になっています。アルミ素材はその中でも多く、軽量である点が人気の理由。さらに耐久性がありますので、玄関ドアだけでなくあらゆる製品にも使用される素材です。

デザイン的にも金属特有の光沢があり、明るいイメージを与えてくれます。アルミ製の玄関扉は多くのメーカーが扱い、個性的なデザインなどもあります。

しかし熱伝導率が高く、断熱性能は低め。外気の影響を受けてしまうので、アルミ製のドアには断熱材を入れたタイプもあります。

 

ステンレス

錆びにくいことがステンレスの特徴。耐久性はアルミ製と同じく高い金属なので、玄関扉でも人気がある素材です。とくに防錆機能が求められる、海沿いの住宅で好まれています。

 

木製

昔から日本の家屋で使用されている木製の玄関扉は、断熱性能が高い点が特徴です。寒い地域でも外気の侵入をしっかりと防ぎ、木製特有の自然な温かみがあるのも魅力ですね。

木製のドアは劣化を防ぐために、塗料を表面に塗ることがあります。この塗料は劣化したり剥げたりしてしまうため、定期的なメンテナンスが必要。

天然木を使用した無垢材の玄関ドアは高級感がありますので、建物のデザインと合わせて選ぶ人も多いでしょう。

 

スチール

オーダーメイドしやすい素材のスチールは、熱処理をした金属を冷やして変形されたもの。アルミと同様に、スチールも玄関扉によく使用される素材です。

メリットはコストが安い点と、アルミよりも耐久性が高く重厚なところです。劣化スピードが遅いので、長期的に使えるのも嬉しいですね。

またスチールは防犯性能や防音、防火の性能も高いため、玄関ドアの性能をアップさせたい時にオススメ。落ち着いたデザインが多く、マンションなどの集合住宅でもよく使用されています。

 

ガラス

採光機能が高いガラスドアは透明感があるので、開放的な玄関にピッタリです。しかし玄関から家の中が見えてしまうので、一般住宅ではあまり使用されることはありません。

飲食店など商業用の建物では、お客さんが入りやすく感じるのがガラス扉だといえるでしょう。玄関扉として使用する場合は、プライバシーの保護のために半透明ガラスを使うことが多くなっています。

 

玄関扉のリフォームで大切なポイント

玄関扉で断熱できる?種類の違いとリフォームコスト

玄関扉がきちんと閉まらない、デザインが古いなど。リフォームを検討する場合は、コストや材質選びなどで注意したいポイントがあります。

いざ扉を探し始めると、種類が多すぎてどれがよいのか決められない場合も。住宅のバランスを考えて、納得するリフォームのコツをご紹介しましょう。

 

断熱性が高い扉のコストについて

玄関扉を交換する際のコストですが、断熱性が高い扉は一般的なドアよりもコストは高めです。一般的な片開きドアの場合、1015万円が目安。

そして断熱性能が加わると、1520万円が相場です。また玄関はドアの枠によっても規格が異なりますので、ガラス部分があるデザイン、もしくは子扉があるかなど、両袖にランマつきの玄関扉の枠は最もコストが高くなります。

たとえば耐久性や耐熱性が高い玄関扉に交換するリフォームは、扉のコストに工事費用56万円ほどプラスされ、総額で20万~25万円がリフォーム費用になります。

 

間口を広げる場合

気に入った玄関ドアが既存の枠に収まらない場合は、間口変更のドア交換工事が必要になります。ドアだけの交換工事よりも、外装の張替えなども必要になるのでコストは高めです。

出入口が不便な玄関なら、ドアを交換する際に間口を広げるのも方法ですね。この場合は別途工事費用が15万円前後発生しますので、機器代金と合わせるとリフォームコストは35万円前後になります。

 

デザインを考える

玄関扉はどれも同じようでも、それぞれの魅力が異なります。ドアを選ぶ際に意識したいのは、色やデザイン。そして断熱などの仕様や採光性、採風性を考えるとよいでしょう。

採光性をアップさせたい場合は、玄関ドアの一部にガラス面があるデザインがオススメ。明り取りがない一枚板のような玄関ドアだと、室内が暗くなってしまいます。

採風性は、扉を閉めたままでドアを操作すると開閉できるデザインなので、暑い季節は自然の風が気持ちよく玄関から入ってきます。

デザインは素材によってもバリエーションが異なりますので、建物全体との調和を考えるとよいでしょう。

 

防犯性能も考えよう

玄関扉は断熱性能や種類、デザインはとても重要ですが、防犯機能も忘れてはいけない部分です。防犯機能は複層ガラスなどを使用し、外から壊されない仕様になっているタイプが人気。

割れても破片が飛び散らないので、地震の際も安心できる可能性があります。また防犯機能はドアの素材だけでなく、セキュリティを強化できる電子ロックなどもオススメ。ドアを選ぶ際に、オプションでこのような防犯機能を高めるのも可能です。

 

まとめ

玄関扉の断熱機能を高めるには業者に依頼して、最適なドア選びをサポートしてもらいましょう。主に人気があるアルミと銅板のドアだけでなく、自分好みのデザインを意識したり、コストとバランスを考えたりするのも大切ですね。

玄関扉が新しく生まれ変わると、家の出入りも楽しくなるでしょう。さらに光熱費も抑えられると、一石二鳥になるのです。