塗装で遮熱!屋根の色選びで最も効果が高いのは?

塗装で遮熱効果をアップさせられる可能性があることは、ご存知でしょうか。塗料の開発が進みあらゆる用途で選べるようになり、光熱費の節約を意識する人は塗装で遮熱できるタイプが便利。

とくに屋根は最も熱を浴びる場所で、室内の温度にも影響を与えます。そこで今回は、屋根のリフォームで人気がある塗装で遮熱する方法について、効果やポイントなどの大切な点をご説明していきましょう。

 

屋根の色と温度に関すること

塗装で遮熱!屋根の色選びで最も効果が高いのは?

建物の外観デザインに、重要な意味を持つ屋根。見た目だけでなく遮熱効果も、屋根の素材や色によって大きく変わります。では屋根選びの際に知っておくと安心な、色と温度の関係について見ていきましょう。

 

屋根の熱について

屋根は地面よりも高い位置にあるため、より太陽光の熱を受けやすい環境があります。さらに屋根の色によっては赤外線を吸収しやすく、同じ素材でも色によって温度が高くなることも考えられます。

塗装で遮熱する場合にまず考えたいのは、日射反射率の高い色を屋根に採用すること。そうすれば日差しが強い夏でも、屋根に吸収させる熱を軽減するのが可能になるでしょう。

屋根が常に熱くなってしまうと、屋根材の劣化につながるだけでなく、室内の温度が上昇してしまいます。遮熱できればエアコンなどの空調の使用を減らし、結果的にCO2の排出量削減にもなります。

夏は室内で熱中症になってしまうリスクもありますので、屋根の遮熱は健康にもメリットが期待できると考えられるでしょう。

 

遮熱効果が期待できる色はどれ?

塗装で遮熱する場合には、色選びがとても重要です。一番太陽光を反射するのは「白」。明度が高い色ほど日射反射率が高くなりますので、屋根の色は黒よりも明るい色を選ぶのがコツです。

実際に屋根材の色選びをするとわかりますが、反射率の高い白い屋根は一般住宅ではあまり存在しません。ダークブラウンやグレー、オレンジ系など、色味は同じ系統になる場合が多いのですが、明度で調整すればかなり遮熱効果は期待できます。

 

遮熱塗料との温度差について

屋根に遮熱効果のある塗料を使った場合の、温度の違いについてご説明しましょう。遮熱塗料を使用しない屋根は、夏は屋根材が80度近く上昇します。

屋根裏も50度、室温は32度ほどに。遮熱塗料を使用した屋根にすると屋根材は60度程度、屋根裏は40度、室温は28度とかなり温度が下がるとわかります。

長い目で考えると、わずかな温度の違いでも節約効果が期待でき、屋根材を長持ちさせるのも可能です。

 

白い屋根にするメリットとデメリット

塗装で遮熱!屋根の色選びで最も効果が高いのは?

塗装で遮熱する際に、一番効果が期待できる白。温度だけを考えるのでなくデメリットもありますので、塗料の色や材質の色選びの際に合わせて考えておきましょう。

 

メリット

明度が高い白っぽい色は光を反射するため、屋根の色には適しているといわれています。明るめのグレー、クリームカラー、ライドブラウンなどは、ダーク系よりも遮熱効果がある可能性も。

白の屋根は遮熱効果が期待でき、しかも種類としては少ないため個性的な建物の印象を与えてくれます。

 

デメリット

白い屋根のデメリットは事例が少ないため、よい意味でも悪い意味でも目立つことが挙げられます。日本の住宅は建物と相性のよい暗めの色が好まれ、白は屋根の塗料でも種類が少ないといえるでしょう。

そのため白い屋根の家はとても目立ち、景観にそぐわないケースも。また白は汚れが目立ちますので、塗装を繰り返し綺麗な色を維持しなければならない場合もあるでしょう。

屋根は車のように洗えませんので、見た目を気にする人にはあまりオススメではありません。

 

遮熱塗料の特徴について

屋根のリフォームは頻繁には行いませんので、もし張替えなどをする場合は合わせて塗装で遮熱できることも検討してみましょう。

注目されている遮熱塗料にはどのような特徴があるのか、知っておきたいポイントを詳しくご説明していきますね。

 

遮熱塗料の特徴

ヒートアイランド対策や、夏場の省エネとして選ぶことが増えている遮熱塗料。これは日差しの熱を吸収して、建物内部へ熱量が進入しないよう防止する役目があります。

塗装で遮熱した場合、最大で1520度ほど屋根表面の温度を下げられるでしょう。遮熱塗料の耐用年数は1012年。単価は種類によって異なりますが、相場は平米単価で25003500円です。

 

塗料ごとのグレードについて

塗料は基本成分の違いにより合成樹脂系、ウレタン系、アクリル系、シリコン系があります。グレードごとに値段が違うだけでなく耐久年数も異なりますので、予算に見合った塗料の種類を選ぶのが大切です。

一番グレードが高い合成樹脂系、通称フッ素樹脂と呼ばれる塗料は屋根なら12年、外壁なら15年が耐用年数。シリコン樹脂は屋根で9年、外壁10年です。

そしてウレタン樹脂は屋根6年、外壁7年、アクリル樹脂は一番安価なので耐用年数も短く、屋根5年、外壁も5年となっています。

 

遮熱と合わせて選びたい塗料の機能

塗料で遮熱すれば、夏は室温が下がるので快適です。さらに屋根の塗料選びでは、他にもプラスしたい機能があります。たとえば美観を保つための、防カビ性や防藻機能があるもの。

そして汚れがつきやすい箇所なら低汚染性、浸水を防ぐ透湿性は塗膜の剥がれを予防する際に便利です。塗料は機能性が高くなると、コストも比例して高くなります。

お住まいの地域やご近所とのバランスなども考えて、仕上がりのイメージを考慮するとよいでしょう。

 

屋根の塗装が必要な時期について

屋根にのぼって状態をチェックすることは、あまりないといえるでしょう。塗料が劣化すると水漏れなどのダメージにつながるリスクもありますので、屋根塗装は必要な時期を早めに把握しておくと安心です。

 

塗装は何年目に行うの?

屋根の塗料の種類によって耐用年数が異なりますので、そろそろかなと思ったら専門業者に確認してもらうことが一番オススメです。

基本的には前回塗装してから10年目が塗り替えの目安になりますので、塗料の耐用年数にかかわらずまずは専門家に診断してもらいましょう。

新築で購入した家でも、屋根の塗料の種類まで把握している人は少ないはず。地域の気候によっても塗料の劣化スピードは変わり、雨漏りなどの症状がある場合はすぐに業者に連絡してくださいね。

 

屋根の塗装は季節も大切

屋根の塗り替えは施行しやすい時期がありますので、塗料が乾きやすい季節を選びましょう。雪が多い地域は、夏が塗り替えのタイミング。

工事中は窓を閉めることが多いので、夏の塗り替えは室温が高くなるのも想定しておいてください。雪が少ない地域は、秋と春がオススメです。

空気が乾燥する冬は塗料が乾きやすいのですが、結露で工事が午前中できないケースもあります。もし屋根材や塗料の劣化が目立つ場合は、適した季節を待つとさらに状態が悪化して、補修コストが高くつく場合もあるでしょう。

また天気によって屋根が剥がれてしまうリスクもあるので、気になる症状がある場合は早めに業者に連絡してください。

 

値段を重視するべきか?

塗装で遮熱するリフォームのように、屋根の工事は何かとコストがかかります。塗装は定期的に行う必要がありますので、できれば安く済ませたいのが本音。

しかし単価ばかり意識してしまうと、耐用年数が短い塗料になり、結果的に塗装工事の回数が増えてその都度仮設費用が発生します。

耐用年数が長い塗料や、機能性の高い塗料はコストが高く感じますが、長い目で考えるとお得になるのです。

 

まとめ

塗装で屋根の遮熱効果をアップしたい場合は、リフォーム業者に相談して塗料の選び方をアドバイスしてもらいましょう。頻繁に行うことではありませんので、納得できるようあらゆる情報を提供してくれる業者が安心です。