屋根のカバー工法のメリットやデメリット・適しているか判断のコツ

屋根のカバー工法については専門的なことなので、詳しく知らない人のほうが多いでしょう。家の屋根はインテリアとは違い、あまり意識する機会がない部分。

しかし家の頭に当たるところで、あらゆるダメージから守ってくれる大切な屋根は、定期的なメンテナンスをする必要があります。雨漏りなどのはっきりとわかる症状がある場合、屋根の修繕をしなければなりません。

そんな時に人気のある屋根のカバー工法について、メリットとデメリットを詳しくご解説していきましょう。

 

屋根のカバー工法について

屋根は外壁と同じく経年劣化しますので、大切なマイホームを長持ちさせるためにも、修繕やメンテナンスが必要です。よく行われる方法のひとつが「カバー方法」。どのような屋根工事なのか、詳しくご説明しましょう。

 

カバー方法とは屋根材を重ねる施工

一般的な戸建てで使用される屋根は、カラーベストと呼ばれる材質で「コロニアル」と呼ばれるケースもあります。屋根は太陽の日差しや雨、雪などの天候から家を守るための大切な役目があり、塗装して防水機能を高めるなど修繕が必要です。

しかし劣化が激しい時には、屋根のカバー工法という施工で対応する場合があります。カバー工法は既存の屋根に防水シートや、軽い屋根材を重ね張りする屋根のリフォーム方法。

カバー工法は屋根だけでなく外壁も同様に、古い壁に新しい外壁材を張ることもあります。

 

屋根の寿命について

「屋根は何もしなくても大丈夫」と思っている人は意外と多いようですが、定期的に状態を把握しないと雨漏りなどのダメージを招く可能性があります。

屋根の中でもとても多いカラーベストやスレート屋根のコロニアルは、寿命が30年ほどだといわれています。あくまでも目安なので、それ以前に劣化が激しく修繕が必要になるケースもありますので、定期的なメンテナンスは劣化を早期発見するために重要。

とくにコロニアルの屋根材は、主原料が吸水性のあるセメントや石綿が使用されていますので、表面の塗膜が減ってくると雨水を吸収しやすくなるデメリットがあります。

 

カバー工法の一般的な流れについて

屋根のてっぺん部分にある棟(むね)板金を撤去し、木下地や鉄くぎなどを取り除きます。10年以上経過した住宅は棟板金が劣化している可能性があり、強風で吹き飛ばされてしまう場合があるので注意が必要です。

雪止め金具などを全て取り除き、フラットな状態になったら軒先から棟に向けて、雨漏りを防ぐための防水シートを張ります。次にリーフィングを張り、新しい屋根材を施工して棟板金を取りつけて完了です。

 

カバー工法のメリットは?

屋根のカバー工法のメリットやデメリット・適しているか判断のコツ

カバー工法はとても人気がありますが、どのようなメリットがあるのが魅力ポイントを見ていきましょう。

 

屋根のリフォーム費用が抑えられる

屋根のリフォームは既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材を張る施工はとても費用がかかります。屋根のカバー工法は古い屋根材の撤去費用がかからず、廃材費用も不要のためリフォームのコストを低予算でやりたい人に人気があります。

コロニアルであっても、アスベストが入っているものだと処分費用が高額になり、丸ごと屋根材を変える葺きかえ工事と比較すると費用が1.5倍ほどになってしまいます。

 

防音や防水性が高くなる

既存の屋根の上にさらに新しい屋根材をのせるため、二重構造になると防音性や防水性が高くなるメリットが期待できます。また断熱効果も高く可能性があるので、光熱費の節約にもつながるはず。

一般的な屋根のカバー工法ではアルミ箔をつけ、断熱材を入れてガルバリウム鋼板の上が仕上げ面となります。最近は断熱材と一体化になった金属屋根もありますので、確かな断熱効果にこだわる場合は使用する材質にも注意しましょう。

 

工事期間が短い

既存の屋根を剥がして処分してから、新しい屋根材を張る施工はとても時間がかかります。屋根のリフォームは天候によっても工事期間が左右されるため、少しでも早く完成させたいならカバー工法がオススメです。

解体や撤去が不要なので時間の節約ができ、結果的に作業が少なくなるのでコスト面でも安心です。

 

カバー工法のデメリットは?

カバー工法は魅力ポイントが色々とありますが、注意したいのはデメリット。高額な工事で失敗するのは、やはり避けたいところですよね。では屋根のカバー工法のデメリットについて、詳しくご説明しましょう。

 

部分的な修繕ができない

カバー工法でリフォームした場合、屋根の一部が剥がれると上下の屋根を剥がして修繕する必要が出てきます。たとえば「篏合式」の横葺き金属屋根は、下から上に張っていくので、軒先部分が剥がれた時には屋根全部を張り替える工事をしなければなりません。

 

下地部分によっては適していない

屋根のカバー方法は、下地部分になる野地板の劣化や腐食が目立つ場合は、カバー工法は適していません。表面的には綺麗に仕上がっても、土台部分が弱いため剥がれやすくなることもあるでしょう。

屋根のカバー工法を行う際は、屋根材の状態や下地部分を正確に診断してから施工してください。

 

屋根の重量が増える

既存の屋根に新しいものを張るため、重量が増すのは避けられないこと。使用する金属屋根は軽量に作られていますが、既存よりも重くなると骨組みへの負担が心配になる場合もあるでしょう。

屋根の重さが増えることで耐震性が若干減るともいわれていますので、重量が心配な場合はできるだけ軽量な材質を選んでください。

 

カバー工法が適しているか判断するコツ

屋根のカバー工法のメリットやデメリット・適しているか判断のコツ

屋根はお住まいの地域の気候や築年数など、あらゆる要素を複合的に考えてリフォームプランを立てなければなりません。カバー工法は人気がありますが、全ての住宅向けではないもの。では判断する際のポイントについて、詳しくお伝えしますね。

 

瓦屋根

瓦屋根の破損は部分的に修繕が可能ですが、築年数が長い住宅や耐震性を高めるためにカバー工法を考える人もいるでしょう。しかし瓦屋根はフラットな状態にはならないため、リフォームする際は葺き替えが好ましいといえます。

 

アスベストの心配

築年数の古い住宅は、スレートにアスベストが含まれている可能性も。その上に新しい屋根材を張ってしまうと、それが心配ごとにもつながるでしょう。

その場合はきちんと撤去してリフォームする必要があるため、カバー工法は適していません。

 

将来の修繕費を考える

屋根のカバー工法は、簡単に考えても屋根が二重構造になるため、下地部分で不都合が発生した際は原因の特定が困難に。雨漏り症状が発生した場合は、専門業者でも対応してくれないこともあるでしょう。

最悪の場合は全て屋根を取り換えることになりますので、高額な修繕費用が発生するリスクがあります。

 

火災保険について

カバー工法にすると、火災保険で修理できる可能性が低くなるといわれています。保険は自然災害によって補償されるものなので、カバー工法だと台風や大雪でも、古い屋根材に問題があると判断されることも。

このようなリスクを考えて、カバー工法にするかどうか判断するのも大切ですね。

 

まとめ

屋根のカバー工法については、あらゆる角度からの判断が必要です。屋根の修繕は色々な方法がありますので、実績が豊富なリフォーム会社に相談するとよいでしょう。

屋根は専門的な施工になるので、リフォーム業者から関連業者に依頼するケースもあります。最終的に依頼主が満足して屋根のリフォームをするには、気になる会社を数社ピックアップして、見積もりやサービス内容を調査してください。

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