しかし内装とは違い、修繕箇所の発見が遅れることがよくありますよね。そこで今回は、外壁で使う無機塗料の特徴を理解し、外壁のリフォームをするコツについてご紹介していきましょう。
外壁の無機塗料について知っておきたいこと
外壁はサイディング、塗装などあらゆる施工がされています。塗装は部分的に修繕する際にも使用される方法で、コスト面などでも魅力的な部分がたくさんあるでしょう。
では近年注目されている外壁の無機塗料の特徴や、知っておきたいポイントについて詳しくご説明しますね。
無機塗料とは何か
塗料に無機物を配合したものが無機塗料。無機物とはガラスやレンガ、石などの炭素を含まないもので、紫外線の劣化が防げるため半永久的に持続する可能性もあります。
ガラスなどの無機物が100%の塗料が作れれば、さらに耐久性が増すことになるのですが、実際にはこれだけでは塗料として伸ばすことができません。
このため合成樹脂などの有機物を混合し、無機物質の耐久性を活かしたものが無機塗料となります。
有機塗料との違いについて
有機塗料は市場の大半を占める塗料の種類で、無機塗料以上に多種多様な種類があります。有機塗料は、石油などの炭素を含む有機物を混合した塗料のことで、耐候性は10~20年ほど。
コストも無機塗料より安く、幅広いタイプが存在します。シリコンやアクリル、フッ素やウレタンなどは合成樹脂を使用したもので、有機塗料の種類のひとつです。
しかし有機塗料に無機物を混ぜたものが「無機塗料」と呼ばれる場合もあるので、実際には呼び方の違いだけでどちらも有機樹脂を使用しているのが共通点です。
無機塗料のメリットについて
無機塗料のメリットはまだ知らない人も多いはずですが、無機塗料は価格が有機塗料よりも高い分、長持ちするのがよいところです。まだ普及していないので出荷数は少なく、市場的にも安く販売できない事情があります。
無機塗料は主流になっているシリコン塗料と比較すると、耐久年数は30~40年と2倍ほど長持ち。そのためメンテナンスの頻度が減り、費用も合計すると安くなる計算です。
他にも無機塗料は光触媒のように親水性がありますので、雨水で汚れを洗い流す作用が期待できたり燃えにくかったりするのもメリット。さらに塗膜が劣化しにくいので、本来の色を長期間綺麗に維持できます。
外壁は雨水や風など過酷なダメージを受ける部分で、塗膜が劣化するとカビやコケの不安もありますよね。その点無機塗料は塗膜が固くて劣化しにくく、カビやコケも少ないため綺麗な外壁が維持できます。
無機塗料のデメリットについて
無機塗料のデメリットは、有機塗料よりも価格が高いこと。耐候性が高く機能性もあるので、塗料の製造コストがかかってしまい、販売価格も高額になります。
また無機塗料は無機物が配合されていますので、塗膜が固くひび割れしやすいのがデメリット。外壁表面のひびと同時に、塗膜にもひびが入るリスクがあるでしょう。
無機塗料は収縮性がありますので、木製素材の外壁とは相性が悪いため塗装できないといわれています。屋根材との相性も考える必要があるのです。
またつや消しがないので、つやの調整は5分か3分まで。しかも一定の厚みで塗装することが求められるので、技術力のある職人でないと綺麗な仕上がりにならない点にも注意しなければなりません。
無機塗料の値段について
一般的な有機塗料なら、安いアクリル塗料で1平方メートルあたり1400~1600円。シリコン塗料は2300~3000円、無機塗料は4500~5000円が相場です。
ただし単価が安い塗料は耐久性も短いため、将来的な塗り直しを考えると初期費用はかかりますが、コスト的には無機塗料のほうが安くなることもあるでしょう。
代表的な無機塗料の種類について
無機塗料は有機塗料よりも種類は少ないのですが日々開発が進み、どんどん新しい商品も誕生しています。大手メーカーの塗料を選んでも、大切なのは塗装の技術。
下地処理なども重要なので、信頼できる塗装業者を選ぶ必要があります。では人気がある大手メーカーの無機塗料をご紹介しますので、参考にしてください。
アステックペイント 無機ハイブリッドコートJY
このメーカーは日本では聞き慣れないかもしれませんが、紫外線が強いオーストラリアでとても人気のある塗料メーカーです。フッ素に無機物質を配合しており、伸縮性が高いのが特徴。
地震が起こると地盤の揺れにより、外壁にクラックが発生する可能性があります。これを防ぐには、揺れに対抗できる弾性力の強い塗料が一番。
この塗料は600%という伸縮性がありますので、地震や大型車が通過した時の揺れも安心。防水性も高く雨漏り防止効果も期待でき、遮熱機能で熱を抑えられる可能性があるのも魅力です。
エスケー化研 セラミタイトペイント
外壁だけでなくこの無機塗料は、内装でも使用できます。無機高分子が主要な構成成分で、耐汚染性が優れているため、メンテナンスの手間が省けるのが魅力。
乾燥性が高いので、作業もやりやすいでしょう。価格は1400円/平方メートルと、無機塗料の中でも抵コスト。ただし耐用年数が5~7年なので、長持ちさせたい場合には向かないかもしれません。
日本ペイント アプラウドシェラスター
塗料メーカーの大手日本ペイントから販売されているこの塗料は、水性勇気無機複合型塗料なので、それぞれのメリットを活かせることが特徴です。
メーカーでは最高級塗料として自信がある商品で、外壁をいつまでも綺麗に長持ちさせるために開発されたものです。メンテナンスの難しい高層ビルにも適していることや、優れた難燃性があるのも魅力。コンクリートやモルタル、一般鉄部の新設や塗り替えにも適用します。
外壁塗装を依頼する場合の注意点について
外壁塗装や屋根塗装を定期的に行わないと、状態が悪化してしまうでしょう。新築の家なら10年目はまず塗装を考えるタイミングになりますので、目立つ症状がある場合は発見した段階ですぐに対処が必要です。
では外壁塗装を依頼する際の注意ポイントについて、詳しくご説明していきますね。
点検をしよう
外壁塗装をするかしないか、見ただけでは判断できないことが色々とあります。リフォーム業者では、無料で外壁の点検をやってくれるところもありますので、気になる場合は早速依頼してみましょう。
外壁の素材、塗料の素材にかかわらず、紫外線を浴びやすい場所などは耐用年数までもたない場合も。外壁塗装をするプランがなくても、まずは現状を把握するのが重要です。
塗料の選び方について
外壁の無機塗料はコストがかかりますが、長持ちするなどメリットが色々とあります。しかしコスト的に無機塗料を使えない場合もあるはずなので、外壁塗装する場合は予算に合わせて、どのタイプの塗料が家に合っているかプロの意見を参考にしてください。
基本的にグレードの低い塗料は、耐久性が低い代わりに値段が安くなっています。長期的に考えて予算を多少オーバーしても、次のメンテナンスまで長持ちさせるなら、よいグレードを選ぶことも検討しましょう。
技術力のある業者に依頼する
外壁塗装は塗料の質だけでなく、職人の腕も関係しています。また塗料によって、混ぜ合わせる時間や乾燥時間などが異なるもの。
材料の特性を理解して正しく施工できる業者でないと、どんなによい塗料を使用しても、すぐに剥がれてしまうケースもあるでしょう。
塗装専門業者やリフォーム業者など、過去の施工例を提示してもらい比較することもオススメです。
まとめ
外壁の無機塗料はこれから塗料業界でも、多く登場するアイテムになるでしょう。有機塗料にはない魅力がありますがデメリットもあるので、納得できる外壁のリフォームをする際には、信頼できる業者にまずは相談してくださいね。