家は室内ばかりが気になるものですが、大切な土台部分となる床下は、点検をして家の状態を定期的に把握するのが大切です。
めったにチェックすることがない床下。戸建てに住んでいる人は、大切なマイホームを守るためにも欠かせない大切な点検になります。
床下にはシロアリ問題をはじめ、給排水や給湯、断熱などの大切な部分が色々とありますので、早くダメージを発見するために床下の点検は忘れてはいけません。
でも何をチェックすればよいのか、見る箇所がわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで床下点検のポイントと、床下点検口の設置についてご説明していきましょう。
床下点検を自分でやる際の手順
床下はめったに行く場所ではないので、どんな風になっているのか想像がつきませんよね。暗くてジメッとした印象がある床下。自分で点検する際の手順について詳しくご説明しますね。
床下に行く時の服装
床下は天井が低いので、立って歩くことはできません。うつ伏せの状態で進むので、服装は汚れてもよいものを選んでください。
プロの床下点検の場合は、つなぎのような服装を着用していますので、身軽に動けて体を保護できるスウェット上下などがよいでしょう。
そして帽子と軍手、ホコリよけのマスク着用も忘れずに。床下は頭をいきなり上げてぶつけることがありますので、必ず帽子を着用しましょう。
懐中電灯は手を自由にするために、ヘッドランプがあると便利です。できるだけ明るい懐中電灯を使い、見通しが利くようにしてください。
点検中に気づいた部分を記録するために、スマホで写真を撮ったりメモ書きを残したりするのもよいでしょう。
床下は湿気やほこりがあり、高価な器具は故障する恐れもあるので、カメラなどを使う場合は充分にご注意くださいね。
床下に入る前に臭いをチェック
床下に行く前に収納庫のふたを開いて、軽く覗き込んでください。その際にチェックするのは地面が濡れていないか、ホコリの度合い、そしてカビの臭いです。
カビの臭いが強い場合は専門家に依頼して、適切な処置をしてから点検する必要があります。床下は湿気がこもりやすい部分なので、カビや害虫が発生しやすいもの。
いきなり床下に下りず、まずは全体的に見られるところを床上からチェックしておきましょう。
床下点検をする時期
床下では、白アリや基礎コンクリートの劣化などの問題が起こっている可能性も。できるだけ早く状態を把握するのが大切なのですが、環境によっては虫が発生することを覚悟しなければなりません。
点検の時期としては、気温が高くなる夏はまず避けましょう。床下は通気性が悪く、温度がこもりやすい特徴があります。夏だけでなく寒さが厳しい冬も、床下点検にはあまりオススメではありません。
気温的に過ごしやすくなる秋の終わりから冬の初めなら、虫の活動も減っていますので点検しやすいはず。時間帯は明るい日中などがよいのですが、家族などの付き添いがいる時にしたほうが安心です。
床下でチェックする項目について
床下の点検では、いくつかの大切なところをチェックしましょう。その際に目安にしたい、次の点検箇所を覚えておくとよいですね。
断熱材の落下
断熱材が床下にある場合は、しっかりと設置されているか確認してください。断熱材が落下している場合もあるので、その際は元の位置に戻しておきましょう。
グラスウールと呼ばれる床下の断熱材は、巾木をホームセンターで購入して打ちつけておくと、落下予防ができます。
また断熱材の落下により発生したゴミや木くずは、シロアリの餌になるので綺麗に取り除くことも大切です。
給湯関連の点検
床下には配管がありますので、水漏れしていないか点検をしましょう。わずかな量でも長い間に水が溜まってしまうと湿気が増え、家の基礎構造にダメージを与える可能性があります。
水漏れはカビ発生の原因にもなるので、大がかりな修理が必要な場合は、専門業者へ連絡してくださいね。
シロアリの点検
シロアリがいないか、もしくはシロアリの通り道がないか点検してください。とくにコンクリートの基礎部分や、木材の周りはしっかりとチェックが必要に。
もしかしたらと思う部分は、写真を撮って記録しておきましょう。また木材の腐敗はシロアリがいる可能性もあるので、駆除業者へすぐに連絡して対処してもらいましょう。
自分でシロアリ駆除をしても、きちんとできない場合がありますし、薬品でダメージを受ける恐れもあるので必ず専門業者に相談してください。
基礎部分の破損をチェック
基礎コンクリートは、経年劣化でひび割れすることがあります。ヒビは水漏れの要因になるので、長さや幅などを確認しておくとよいでしょう。
ヒビの状態や場所は、素人では判断できないケースがよくありますので、怪しいなと思う場合は必ず専門業者に依頼してください。
床下点検口を設置する
床下の点検をするためには、下に降りるための出入り口が必要です。床下点検口と呼ばれる場所は、リフォームの際にもチェックしておきたい部分。
住宅によっては点検口がない場合もあるので、その際にはどのような対処が必要なのか、詳しくご解説していきましょう。
点検口が必要な理由
これからマイホームを購入する人は、必ず床下点検口と天井点検口の有無について確認してください。
点検口は全ての住宅にあるわけではなく、新築でもついていない場合があります。それは住宅メーカーが住む人のことを、しっかりと考えていないサインともいえますよね。
そもそも点検口とは、普段は行かない場所を確認するために取りつける場所です。床下収納のようにふたを開けて降りる場合、専用の扉が床についている場合などもあります。
建物の状況を確認するためには、床下環境をしっかりとチェックするのは欠かせません。土台や基礎などの住宅の主要部分があるので、床下点検口がないと点検できないことになります。
点検口を設置してから床下点検しよう
定期的なホームインスペクションをしたいけれど、床下点検口がないという場合。このままでは確認できる範囲が狭くなり、重大なトラブルを見過ごしてしまう可能性があります。できれば点検前に、出入口を設置しておきましょう。リフォーム業者に依頼すると、費用は数万円ほどで点検口を設置してもらえます。
もし購入前の住宅なら、オーナ―に相談して点検口をつけてもらうこともできますが、無理な場合もあります。
床下点検口の設置場所
床下点検に必要な点検口ですが、設置する場合は家のどこにすればよいか迷うもの。できれば床下に行きやすく、全体像が把握しやすい部分が理想的です。
だからといってリビングフロアーの真ん中に設置してしまうと、見栄えが悪くなりますよね。床下点検口で、最も多いのはキッチン。
床下収納と点検口を同じように使っている住宅も多く、機能性が高くなり出入口がひとつなので、インテリア的にも問題がありません。二階にキッチンがある場合は、一階の収納部屋や廊下などに設置するのもオススメです。
まとめ
床下の点検は自分でもできますが、身動きが自由にとれない危険な場所ですし、チェック箇所が素人では判断できない難しい点検。
大切な家をいつまでも最高の状態で維持するためには、専門業者に依頼して床下点検をしてもらいましょう。
また定期的な住宅点検を行い、天井や外壁なども合わせてチェックしておくと安心です。点検だけでは終わらない可能性も考え、シロアリ駆除や基礎部分の補修など、全て相談できるリフォーム業者が理想的ですね。
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